コンクリート 梁 計算 Excel:誰が使うと得をするのか
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Key points
- コンクリート 梁 計算 Excel は梁1本の予備検討用で、架構解析や実施設計の代替にはならない。
- 既定値(b=300、h=600、3-D19、M=150 kN·m)では As,req ≈ 1,630 mm² に対し As,prov 861 mm²、余裕率約1.89でFAILになる。
- 5-D22にすると余裕率は約0.84まで下がりPASSするが、1段に収まるかの検証は別途必要。
- せん断はコンクリート分のみの評価なので、Vuは実際より小さめに出る安全側の値。
- 数値はTSVコピーまたはCSVでExcelに移せるが、社内テンプレートの式とは前提が異なる点に注意。
誰に向いているツールか
梁1本の断面を、いま手元でざっと確認したい人が主な対象です。梁表の一行をExcelで埋める前に、b・h・Fc・主筋・設計用M・Vを入れてPASS/FAILだけ見たい——そんな場面を想定してコンクリート 梁 計算 Excelを作りました。架構解析のやり直しでも、施工図レベルの納まり検討でもありません。
私たちが想定したのは、意匠変更で梁せいが10mm動いた、積載荷重が少し増えた、といった小さな変更が毎週届く現場です。Excelのシートを開き、入力列を探し、式の参照範囲がずれていないか確認する。この往復は地味に高くつきます。ブラウザのタブに常駐させておける軽い確認用として位置づけています。
向かない使い方もはっきり書いておきます。応力の再解析、スターラップの配置設計、たわみやひび割れ幅の検討、靭帯確保の確認まで一度に済ませたいなら、いつもの構造計算ソフトと社内の計算書のほうが速く、確実です。
必要鉄筋量 As,req はどう出している?
まず有効せい d を出します。d = h − かぶり − スターラップ径 − 主筋径/2 という素直な式です。既定値(b=300、h=600、D19×3)なら、かぶり40mm・スターラップD10として d ≈ 540 mm。この時点で「600の梁だから d は550くらい」という感覚値と突き合わせられます。
曲げは許容応力度ベースの簡易式で、As,req = M / (ft · j)、レバーアームは j = 7/8 · d としています。既定の M = 150 kN·m なら j ≈ 470 mm、150 × 10⁶ N·mm を割って As,req はおよそ1,600 mm²台。式と途中の値は結果カードに並ぶので、社内基準の許容引張応力度と違えばそこで気づけます。
提供断面は As,prov = 本数 × 公称断面積です。D19の公称断面積は287 mm²なので3本で861 mm²。必要量の半分強しかない、というのが最初に目に入る数字になります。
判定バッジと余裕率の読み方
余裕率は As,req / As,prov で表示されます。上の例だと 1,628 / 861 ≈ 1.89 で、1を超えているので曲げはFAIL。せん断は V = 80 kN に対して0.6前後でPASS、という組み合わせが既定値の答えです。数字を1文字変えるたびにバッジが動くので、どこが効いているかが体で分かります。
ではどう直すか。5-D22(387 mm² × 5 = 1,935 mm²)にすると 1,628 / 1,935 ≈ 0.84 でPASSします。6-D19なら1,722 mm²で0.95、通りますが余裕は薄めです。ここで注意したいのが段数で、b=300・かぶり40mmなら内法は220 mm、6本のD19はあき25mmを確保すると239 mm必要になり1段に収まりません。ツールはこの条件も弾きます。
余裕率0.95と0.84は、数字の上では両方PASSです。どちらを選ぶかは配筋の納まりと社内の余裕度の取り方で決めてください。ツールは判定するだけで、決めてはくれません。
Excelへの貼り付けはどうやる?
結果表の「Copy for Excel」を押すと、入力値と出力値がTSV形式でクリップボードに入ります。Excelのセルを選んで貼り付ければ、タブ区切りなので列が分かれた状態で展開されます。「Download CSV」なら全項目がファイルで落ちてくるので、梁表の横に積み上げていく使い方が現実的です。
大事な前提として、このツールは特定ベンダーのExcelテンプレートを再現したものではありません。汎用の簡易梁チェックです。社内の計算書が違う仮定(かぶり、j の取り方、せん断の考え方)で組まれているなら、貼った数字をそのまま計算書にしないでください。
計算はページ内で完結する作りなので、社外に出せない断面情報でもブラウザで試せます。とはいえ、情報管理の可否は最終的に社内規程で判断してください。他の用途で軽い計算を済ませたいときはOnlineFree.appの一覧から探すのが早いです。
このツールで足りないもの
せん断はコンクリート分だけで評価しており、スターラップの負担は入っていません。つまり Vu は実際より小さめに出ます。せん断がFAILに見えても、スターラップを入れれば通る範囲は少なくありません。ここは正直な限界です。
たわみ、ひび割れ幅、付着・定着、梁の靭帯確保、T形断面としてのスラブ協力、2段配筋の重心補正——いずれも扱いません。断面は長方形、主筋は1段が前提です。2026年時点の公開版ではこの範囲に割り切っています。
式の出典や許容応力度の版は、日本建築学会の刊行物や所属事務所の規定で必ず確認してください。鉄筋の公称断面積や呼び名の整理は鉄筋コンクリートの項目でも眺められます。予備検討には十分、計算書の代わりにはならない——これがコンクリート 梁 計算 Excelの立ち位置です。
Frequently asked questions
コンクリート 梁 計算 Excel は無料で使えますか?
無料で使えます。インストールも会員登録も不要で、ブラウザでページを開けばすぐに計算できます。断面寸法・コンクリート強度・主筋・設計用モーメント・せん断力を入れると、必要鉄筋量と余裕率、PASS/FAILがその場で返ります。
入力した梁の断面や荷重データはサーバーに送られますか?
計算はページ内で完結する作りにしており、断面情報を保存する目的の送信は行いません。社外に出せないプロジェクトの数値を一時的に確認する用途に向きます。ただし組織の情報管理規程が優先されますので、業務利用の可否は所属先のルールで確認してください。
出てきた判定をそのまま計算書に使えますか?
予備検討用として使ってください。このツールは長方形断面・1段配筋を前提とした汎用の簡易チェックで、スターラップの負担、たわみ、ひび割れ、定着は扱いません。本計算は所属先の計算書や構造計算ソフトで必ず取り直し、必要な確認申請関係の図書と整合させてください。
鉄筋の径や本数に入力制限はありますか?
主筋はD10からD32まで、本数は2本から12本まで選べます。ただし本数×断面積が1段に収まることが条件で、幅300mmにかぶり40mmだと6本のD19はあきの確保で弾かれます。2段配筋になる場合は別途、重心位置を自分で補正して検討してください。
せん断の検討でスターラップは考慮されますか?
考慮されません。せん断耐力Vuはコンクリート分のみの評価なので、実際より小さめに出てFAIL寄りになります。せん断がFAILでもスターラップを配置すれば通る範囲は多いため、判定は安全側の目安として読み、最終値はスターラップを含む式で再計算してください。